ミステリイーター!

ノベルゲーム「ミステリイーター!」を主とした、いくつかのゲームの開発ページです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

リア王 第二話 「西園公子は準備する」


全ての授業が終了した、その日の放課後。
昼休みに屋上で情報を手に入れた公子は、即座に図書館に向かう。
「……」
だが、本を読むのではない。
ロクに使われない閉鎖書架の中に、勝手にもとい秘密裏に隠しておいた、『あるもの』を回収するためである。
「……よし」
奥の方に手を伸ばして『それ』を掴み取った公子は、満足げに息を吐いた。
手にしているのは、刃が湾曲した大きな三日月鎌。
もちろん、昨日の害虫を処理する時にも使った一品だ。
そう、それはまるで死神を想起させるもの。
これで今までいくつの害悪どもを処理してきた事か。
「くくっ……ふはっ……はははははっ……!」
知らず知らずのうちについ、声が漏れる。
「あ、あの、それ、なに、かな……?」
近くの席で本を読んでいた女子生徒が恐る恐るといった様子で問いかけてくる。
「……あんた、何を言ってるんだ。……まあいいか。教えてあげるよ」
天誅に燃えている公子はいつものように冷たく突き放す事も忘れ、取りだした鎌を握り締めて熱く断言する。
「対リア充撃滅最終兵器、処刑鎌『ソウルハーヴェスト』に決まっている」
「へ、へぇ……そう、なんだ……」
相手はなぜか可哀想な人を見る目で公子を見ると、そのまますぐに読書に戻ってしまった。
何やら「目を合わせちゃダメだ、目を合わせちゃダメだ」などというつぶやきが聞こえてくるが、まあ気のせいだろう。
「……さて」
そして公子は、実に優しい目でソウルハーヴェストの柄を撫でる。
「今日も出番だよ……。相棒……!」
ちなみにこれは、コスプレショップで買ったものを魔改造したのはもちろん秘密である。
そのまま図書館を出ようとした公子は、そこでふと思案した。
(……。相手はこれまでとは違う邪悪な存在……! 今のままじゃマズイ、か……)
敵地に乗り込む前に悪鬼の強大さに気づいた自身の知性に、ゆっくりと安堵する。
「『アレ』の出番だ……!」
以前、公子の住んでいるマンションの隣の空き地で、不良のカップルがサバイバルゲームをしていた事があった。
それは七夕前日の真夜中の事であり、明日の厄日をどうやって台無しもとい無事に過ごせるかを、必死に思案していた彼女にとってはうるさい出来事であった。
なので、その2人を『ちょっとだけ』不愉快に思った公子はソウルハーヴェストを持ち、そのカップルに『ちょっとした』苦情を言いにいった。
自分がどれほど迷惑しているのかをそれはもうねっとりと、軽く次の日の昼過ぎまで『諭してやった』後、ボコボコになったDQNが泣きながら丁寧に差し出してきたのが、このエアガンである。
銃の事など全く分からない公子はそれを『42(死に)・7(な)コルト式散弾銃』と名付けて、こっそりと図書館内に封印しているのであった。
そして銃も同じく取り戻し、それがちゃんと手になじむ事を確認する。
「……」
これで装備は整った。
「後は……」
「あの、それで、あなたは何をするの、かな……?」
ふと先ほどの生徒が、任務に向かうこちらに対する興味を押さえきれなくなったのか、再び声をかけてきた。
「悪魔を打ち滅ぼしてくる。見ているんだね、天の裁き(ジャッジメント)を」
即答してやると、相手はなぜかまたもや可哀想な人を見る目で、
「そ、そう……頑張って、ね……」
「ああ、あたしに任せておきな」
満足げに公子はうなずく。
この世の害悪を滅殺する任務の重要性を、相手もちゃんと認識してくれたらしい。
帰ってきたら、戦利品でもプレゼントしてやろうか。
もしかしたら……『オトモダチ』という、未知の単語の意味を解き明かす手掛かりになるかもしれない。
そんな事を考えつつ、単身敵地へと乗り込む。


だが、この後。


公子の始末計画は、根本から崩れる事となった。
関連記事
  1. 2012/06/23(土) 09:22:45|
  2. その他作品
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
<<リア王 第三話 「ハムレット」 | ホーム | リア王 第一話 「人の恋路を邪魔する奴は褒め称えられるべき」>>

コメント

あとが・・・き・・・?

なんか文字数が段々少なくなってきているような気がしますが、それは単にキリのいいところで止めているからであります(※一話につき二千文字が目標)

拍手とか応援コメがくれば頑張るかも
  1. 2012/06/24(日) 19:30:40 |
  2. URL |
  3. 紅野木屋右京 #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mysteryeater.blog.fc2.com/tb.php/11-afe9f043
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。