ミステリイーター!

ノベルゲーム「ミステリイーター!」を主とした、いくつかのゲームの開発ページです。

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リア王 第三話 「ハムレット」


「ここか……」
放課後の廊下。
部活動などでもロクに使われない特別棟には、ほとんどと言ってもいいほど人の気配は存在しなかった。
目の前の生徒会室を除いては。
(よりにもよって生徒会室、とは……。考えたモンだね)
その中からは、キャッキャッと黄色い歓声が聞こえてくる。
それも1人や2人ではなく、軽く10人は超えるだろう。
「ゴミが……」
公子は歯ぎしりしながら、息を吸い、ためらわずに―――
―――扉を蹴りつける!!
がん。
「ぐぉぉぉぉっ……!」
つま先が痛んだ。
予想以上に痛かった。
「…………」
1分ほどその場でのたうちまわってから、普通に扉を引き開ける。
と、そこには。
「べっ、別に幼なじみのアンタがどうなろうがあたしは知った事じゃないの! 単にそれでケガでもされたら寝覚めが悪い、それだけ!」
そう言いながら彼女は、今しがた自分で切ったリンゴをフォークに刺し、男子生徒の口元に持っていく。
「ど、どう……かな?」
「血の味がするな」
言われた瞬間、女子生徒の顔が真っ赤に染まる。
「フッ、冗談だ」
男子生徒はやれやれといった様子で両手をひらひらさせるが、女子生徒の方は聞いているのかいないのか、ワッと泣きながら教室から走り去っていく。
「……」
そして男子生徒は何事もなかったかのように、また別の女子生徒に話しかける。
「それで? ここの本来の占有者たる生徒会長殿は、俺をどうする?」
「そうですねぇ、最初は困ってしまったのですがぁ、まあ私も鬼ではないのでぇ、このまま王くんに使わせちゃってもいいかなぁ、と」
「フッ、恩に着る。先輩」
「…………」
公子の目の前では計20人ほどの女子生徒が、たった1人の男子生徒を中心として群がっており、端的に言ってイチャついていた。
男子生徒はどこから持ってきたのかソファになど座り、また別の女子生徒と談笑し始める。


「…………」
公子は無言でソウルハーヴェストを構え、同じく無言で近くの机を―――殴りつける!!
ガン! と大きい音が部屋の中に響きわたり、女子の集団がこちらの存在に気づいた。
彼女たちがこちらを見てヒソヒソと何かを話し始めるが、公子はそれには一向に構わず、42・7コルト式散弾銃を取り出し、集団の中心点である男に照準を合わせる。
一瞬だけ静寂に包まれた教室は、同じく一瞬で悲鳴に包まれ、阿鼻叫喚の絵図と化した、
女子生徒たちは、公子が立っていない方の扉から我先にと逃げ出していく。
「ま、待ってよみんな、ボクを置いていかないでーっ!」
そして最後に、どこから見ても女にしか見えない少年が泣きながら走り去っていったが、特に知った事ではないので無視する。
後には2人だけがポツンと残された。
つまり公子と、男子生徒。
「さてと、だ」
銃の照準を合わせられていても、相手は平然と構える。
「俺の楽しい楽しい時間を奪った貴様は……何者だ?」
「西園公子。通りがかりの……死刑執行人だよ。……そう言うあんたは?」
即答してやり、相手にも返答を促すが。
「見ず知らずの貴様に教える名などないな」
「……言うじゃないか」
軽く舌打ちするが、この程度は想定の範囲内。
いたぶるなら……生意気な方が折れた時に快感を得やすいというもの。
「そうだな、とりあえず『王』と呼んでくれ。ここでは他の奴らは全員俺の事をそう呼んでいるもんでな」
「……まあいい、茶番はここまでだよ」
舌舐めずりをして、高らかに宣言する。

「リア充爆発しろ」

そして、優雅にソファに座っている相手に対して、先手を打つ。
一瞬でダン、と床を蹴り、宙に踊る。
そしてそのまま身体の重心を傾け、部屋の後方に積まれたパイプ椅子の上へと飛び乗った。
「ハッ!」
ダン! とイスの山を蹴り、一気に距離を詰めて相手に踊りかかる!
「……もらったっ!!!」
鎌を男子生徒の首筋に手加減無しで当てようと、柄を握る手に力を込める。
が。
――キン!
高音が響き渡ったと思うと、ソウルハーヴェストのプラスチック製の刃はあっさりと弾かれていた。
「黙っていろ、西園」
「……なっ!?」
どこから取り出したのか、相手は『あるもの』で公子の攻撃を防いでいた。
鈍くきらめくその刀身は、明らかに……コスプレ用の日本刀。
「なん……だと……?」
防がれたという事に対する驚きよりも、自分以外にあのコスプレショップでグッズを買っている人物がいるという驚きの方が勝っていた。
そう。それはあの日、公子が喉から手が出るほど欲しかったけれども、所持金の都合で泣く泣く諦めた目玉商品。
例えるなら、某魔法学校の生徒が空飛ぶ炎雷のホウキを諦めた時のような。
(まさかコイツ……金持ちだとでも……っ!?)
相手が金持ちのボンボンかもしれないという想像が、公子の闘争心にさらに火を付ける。
「俺の『流星堕とし(メテオブレイカー)』を甘く見るな」
言うなり、相手は流星堕とし(メテオブレイカー)をこちらに突き入れようと構える。
「くっ!」
どの辺が流星なのかよく分からなかったが、とにかく回避行動を取ろうと床を転がる。
あまり掃除されていないのか、制服に大量のホコリがまとわりついた事に心の中で舌打ちする。
そして起き上がった公子は、相手に反撃しようと辺りを見回し――
「……?」
いない。
先ほどまでソファに腰かけていたはずの男子生徒の姿はきれいさっぱり――
「――遅い」
「……がはっ!?」
背後からの衝撃で公子の身体は吹き飛ばされた。
そしてそのままゴロゴロと教室内を転がり、
「チェック・メイト、だ」
うつぶせに押し倒され、馬乗りの形で身体を押さえつけられる。
もちろん首筋には流星堕とし(メテオブレイカー)が1ミリの隙間もなく張り付いていた。
「こんなものか。西園、期待していたのにガッカリだ」
相手は少しも息の乱れなど見せずに、つまらなそうに息を吐いた。
「この……リア充がッ……!」
押し付けられたまま精いっぱいの憎悪を込めて、言葉を投げつける。
「そうだな。俺はリア充の王様。だから……『リア王』、とでも言うべきか」
そこで男子生徒、いや『リア王』はニヤリと笑うと。
「さて、俺の大事な取り巻きを怯えさせた罪は重いぞ? どうやって支払ってもらおうか」
「知る……かっ……!」
精いっぱいの虚勢で返答するが、すでに主導権は『リア王』に握られているという事は公子自身も理解していた。
「まあ、俺は寛大だからな。お前も俺の取り巻きの1人に加えてやるとするか。心の底から感謝しろ」
「ヒッ……やめろ……っ!」
『リア王』の手がゆっくりと、しかし確実に公子の首筋まで伸び。
「う……ぁ……っ……」



彼女の意識はそこで途切れた。
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  1. 2012/06/24(日) 19:36:10|
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  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
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コメント

じゅうはちきんきたい^q^
  1. 2012/07/08(日) 23:24:46 |
  2. URL |
  3. ^1^ #-
  4. [ 編集 ]

Re:じゅうはちきん

まあ、書こうと思えば書けますね

前に気分で書いてみたアダルトゲームのシナリオとか、BL関係のストーリーはありますが、
今回は特に書く気はありません
というかコレ完全にただのネタなので



・・・ところで、四国からコンニチハ?
  1. 2012/07/09(月) 15:42:06 |
  2. URL |
  3. 紅野木屋右京 #-
  4. [ 編集 ]

いや、そっちとは時差が大きいから、こんばんは、かな。
カエルの大合唱で夜も眠れないくらいの田舎なんだが、
むかしのひとが言うように

めばみやこだから元気でやってます。みつを
  1. 2012/07/10(火) 23:16:46 |
  2. URL |
  3. ^1^ #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

侵略するでゲソ!
  1. 2012/07/11(水) 23:20:46 |
  2. URL |
  3. 紅野木屋右京 #-
  4. [ 編集 ]

無駄にガチに書きやがったww
  1. 2012/09/04(火) 23:35:20 |
  2. URL |
  3. 名無しの訪問者さん #-
  4. [ 編集 ]

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